お知らせNEWS

2024.7.7 お知らせ 希望の方に陣痛の緩和を行っています

 当院は自然分娩を基本とし出来る限り安全に、そして最後はご自身の力で赤ちゃんを出産して頂けるよう管理をしています。しかし分娩の開始から赤ちゃんが娩出されるまでにかかる時間は人それそれです。分娩経験の有無、妊婦さんの体格や年齢、体重増加の程度、赤ちゃん自身の大きさなどいろいろな条件が皆違うため、誰一人として同じ経過は辿りません。特に子宮口が全開大するまでの時間は、人によっては一番痛みや苦痛感が強い時期です。陣痛や分娩時の痛みの感じ方は人それぞれですが、痛い事には変わりありません。陣痛が痛かったという記憶は時間の経過とともに実際の痛みの強さなどは忘れていくことが多く、2人目以降の出産時に陣痛が来て初めて思い出すという方も実際多いです。痛い思いや大変な思いをして出産に臨んだ経験は、時間の経過とともによい思い出となっていきますが、『 痛い思いをして産んでこそお産 』という事はありません。

 そこで当院では最後の赤ちゃんの娩出時の力に出来る限り影響せずに、痛みが強い時期を乗り越えられるための方法として、希望される方に薬剤による陣痛の緩和を行っています。

 現在いわゆる無痛分娩といわれるものは、背中にチューブを挿入しそこから陣痛に関係する神経に薬剤を効かせることで、痛みの除去を行う方法がとられています。この方法は陣痛の痛みを抑制するのに非常に優れた方法ですが、デメリットとして吸引分娩の割合が増えることや、低い確率ではあるものの命に係わるような危険が発生しないとは限りません。

 そこで当院ではより合併症の確率の少ない方法として、無痛分娩に適応のある薬剤(注射薬)にその他の薬剤や吸入麻酔薬を併用する方法で陣痛の緩和する方法を行っています。薬剤を使用するのは子宮口が全開大するあたりまでで、最後は陣痛の痛みを力にご自身で赤ちゃんを産んでいただきます。

 この方法はあくまでも痛みの緩和を図る方法ですので痛みが全くない状態にはならず、痛みの緩和は最大時の1~3割程度といわれており、また効果には個人差や薬剤の安全使用量の限度もあるため、ご自身が期待するような効果が得られない場合もありますが、実際にされた方を見る限りの印象としては効果がある方が多いです。特に痛みでパニックに陥りやすく、呼吸が不安定になりやすい方には有効と思われます。また無痛分娩には興味があるけれど少し怖いと思っている方には、陣痛を和らげる緩い方法として気軽にしていただけます。

 陣痛の緩和(和通分娩)は同意書に署名が必要で、保険適応外のため自費料金がかかります。ご検討中や希望される方は10か月以降の妊婦健診時、または入院後に医師また助産師にご相談、お申し出ください。

 。

 

カテゴリー