妊娠後期(28〜40週)
マタニティライフの過ごし方
妊娠中のお悩み「坐骨神経痛でお尻が痛い!泣」妊婦ができる腰痛対策もご紹介
妊娠中の体の変化によって引き起こされる坐骨神経痛。多くの妊婦さんを悩ませるこの症状について、原因から対処法、予防法まで詳しくご説明します。辛い痛みとの付き合い方を知って、快適なマタニティライフを送りましょう。

妊娠中の坐骨神経痛、その痛みと原因を知ろう
妊娠中期から後期にかけて増加する坐骨神経痛。この症状は多くの妊婦さんが経験する一般的な症状ですが、その痛みは決して軽視できるものではありません。なぜ妊娠中にこのような痛みが起こるのか、その原因と症状の特徴について詳しく見ていきましょう。
妊娠中に坐骨神経痛が起こる理由とは?
妊娠中の坐骨神経痛は、主に以下の要因によって引き起こされます。まず、胎児の成長に伴う子宮の重さの増加により、骨盤内の神経が圧迫されることが大きな原因となります。
具体的には、妊娠中期以降、お腹の中で赤ちゃんが大きくなるにつれて、子宮が後ろに傾くようになります。この状態で、坐骨神経が圧迫されることで痛みが発生するのです。また、妊娠による体重増加や骨盤の開きなども、坐骨神経痛を引き起こす要因となります。
たとえば、妊娠20週を過ぎると、赤ちゃんの体重は週に約30グラムずつ増加していきます。それに伴い、お母さんの体重も増加し、骨盤や腰への負担が徐々に大きくなっていくのです。
坐骨神経痛の症状、どんな風に痛むの?
坐骨神経痛の典型的な症状には、以下のような特徴があります
- お尻から太もも、ふくらはぎにかけての痛みやしびれ
- 長時間の同じ姿勢でより痛みが強くなる
具体的な痛みの感じ方は人によって異なりますが、多くの妊婦さんが「電気が走るような」「ズキズキする」という表現を使います。たとえば、椅子に座っているときに急に太ももに痛みが走ったり、寝返りを打とうとした時にお尻に鋭い痛みを感じたりすることがあります。
この痛みは、特に朝起きた直後や長時間座っていた後に強く感じられることが多く、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みを感じる方もいらっしゃいます。
坐骨神経痛と腰痛、どう違うの?
妊娠中によく見られる腰痛と坐骨神経痛は、似ているようで異なる症状です。以下の特徴を理解することで、自分の症状がどちらなのかを見分けることができます。
坐骨神経痛の特徴
- お尻から脚にかけて放散する痛み
- 特定の動作で痛みが強くなる
- しびれを伴うことが多い
腰痛の特徴
- 腰部に限局した痛み
- 動作全般で痛みを感じる
- だるさや重さを感じる
たとえば、腰痛の場合は腰の部分だけが痛むのに対し、坐骨神経痛では「お尻から太ももの裏側、さらにはふくらはぎまで痛みが走る」という特徴があります。
辛い坐骨神経痛、今すぐできる対処法
坐骨神経痛の痛みに悩まされている妊婦さんに向けて、すぐに実践できる効果的な対処法をご紹介します。これらの方法を組み合わせることで、より効果的な痛みの緩和が期待できます。
妊娠中でも安全なストレッチで痛みを緩和
妊婦さんでも安全に行えるストレッチは、坐骨神経痛の痛みを和らげる効果的な方法です。ただし、必ず主治医に相談してから始めるようにしましょう。
基本的なストレッチとして、以下のようなものがおすすめです
- 膝抱えストレッチ:仰向けになり、片膝を胸に向かって軽く抱え込みます。この時、もう片方の足はまっすぐ伸ばしたままにします。15秒ほどキープし、左右を交互に行います。
- 猫背・反り返りストレッチ:四つん這いになり、背中をゆっくりと丸めたり反らしたりします。呼吸に合わせてゆっくりと行うことがポイントです。
これらのストレッチは、1日2-3回、各5-10回程度行うことをおすすめします。ただし、痛みを感じる場合はすぐに中止し、無理のない範囲で行うようにしましょう。
マッサージで血行促進、痛みを和らげよう
妊婦さんの坐骨神経痛に効果的なマッサージ方法をご紹介します。マッサージには血行を促進し、筋肉の緊張をほぐす効果があります。特に、お尻まわりの筋肉をほぐすマッサージは、坐骨神経痛の緩和に効果的です。
まず、横向きになるか、椅子に座った状態で、お尻の外側から内側に向かって、優しく円を描くようにマッサージします。力加減は、心地よいと感じる程度にとどめましょう。痛みのある部分は避け、その周辺をマッサージすることで、徐々に痛みが和らいでいきます。
たとえば、就寝前のリラックスタイムに10分程度、パートナーにマッサージをお願いするのもおすすめです。ただし、マッサージの際は必ず以下の点に注意してください
- お腹を圧迫しない姿勢で行う
- 力加減は控えめにする
- 痛みを感じたらすぐに中止する
テニスボールを使ったセルフケアで楽になる!
テニスボールを使ったセルフケアは、自宅で手軽に行える効果的な方法です。テニスボールの適度な硬さと大きさが、痛みのある部分のマッサージに最適なのです。
具体的な方法として、壁に寄りかかった状態でテニスボールを背中とお尻の間に挟み、上下左右にゆっくりと動かしていきます。また、床に座ってテニスボールの上にお尻を乗せ、痛みのない範囲で前後に動かすのも効果的です。
このセルフケアは、1日2-3回、各5分程度行うことをおすすめします。ただし、以下の点に注意して行いましょう
- 痛みを感じたら即座に中止する
- お腹を圧迫しない姿勢を保つ
- 動作はゆっくりと行う
骨盤ベルトで負担を軽減、正しい使い方をご紹介
骨盤ベルトは、妊婦さんの坐骨神経痛対策として非常に効果的なアイテムです。正しい位置での着用が重要で、それによって骨盤の安定性が増し、坐骨神経への負担を軽減することができます。
骨盤ベルトの選び方のポイントは以下の通りです
- 適度な締め付け感があるもの
- 通気性の良い素材を使用したもの
- マジックテープなどで調整可能なもの
装着する際は、骨盤の一番出っ張った部分(上前腸骨棘)の下約3cmの位置に装着します。ただし、強すぎる締め付けは逆効果となる可能性があるため、適度な締め付け感を保つように注意しましょう。
楽な姿勢と座り方を見つけて痛みを軽減
正しい姿勢を意識することで、坐骨神経への負担を軽減することができます。特に長時間の同じ姿勢は避け、定期的に姿勢を変えることが重要です。
座る時は、以下のポイントを意識しましょう
- 背もたれにしっかりともたれる
- 足を組まない
- 膝は90度に曲げる
また、立ち仕事が多い方は、片足を台の上に載せて交互に休ませることで、腰への負担を軽減することができます。
悪化させないために!坐骨神経痛の予防策
坐骨神経痛は、予防することも可能です。日常生活での心がけと適切な運動を組み合わせることで、症状の発症や悪化を防ぐことができます。
適度な運動で予防!妊婦さんにおすすめのエクササイズ
妊婦さんに適した運動を行うことで、坐骨神経痛を予防することができます。特にウォーキングや妊婦向けのヨガは、安全で効果的な運動として推奨されています。
たとえば、1日15-20分程度の軽いウォーキングは、全身の血行を促進し、筋肉をほぐす効果があります。この時、以下の点に注意しましょう
- 無理のないペースで行う
- 適度な休憩を取る
- 天気の良い時間帯を選ぶ
体重管理も大切!食生活のポイント
妊娠中の適切な体重管理は、坐骨神経痛の予防に重要な役割を果たします。急激な体重増加は骨盤や腰への負担を増やすため、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
妊娠中の推奨体重増加量は、妊娠前のBMIによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです
- 妊娠前のBMIが標準(18.5-25未満):体重増加量 7-12kg
- 妊娠前のBMIが低体重(18.5未満):体重増加量 9-12kg
- 妊娠前のBMIが肥満(25以上):体重増加量 個別に医師に相談
どうしても辛い時は…専門家への相談も検討しよう
症状が強い場合や長引く場合は、専門家への相談を検討しましょう。適切な治療やケアを受けることで、症状の改善が期待できます。
どんな時に病院を受診すべき?
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします
- 痛みが日常生活に支障をきたすほど強い
- しびれや痛みが片側だけでなく両側に出現
- 痛みに加えて発熱がある
- 足の力が入りにくい
特に、夜間の痛みで眠れない場合や、歩行が困難なほどの痛みがある場合は、早めの受診が推奨されます。
整体や鍼灸治療を受ける際の注意点
整体や鍼灸治療は、坐骨神経痛の症状改善に効果があると言われています。ただし、必ず妊婦の施術経験が豊富な施術者を選ぶことが重要です。
施術を受ける際は、以下の点に注意しましょう
- 事前に主治医に相談する
- 妊婦専門のメニューがある施設を選ぶ
- 施術前に妊娠週数や体調を伝える
産後の坐骨神経痛ケア、どうすればいいの?
産後も継続する可能性がある坐骨神経痛。出産後の体の変化に合わせた適切なケアが必要です。
産後の身体の変化と坐骨神経痛の関係
出産後は、妊娠中とは異なる要因で坐骨神経痛が起こることがあります。授乳姿勢による負担や抱っこによる腰への負荷が主な原因となります。
また、妊娠中に緩んでいた骨盤が徐々に戻っていく過程で、坐骨神経が圧迫されることもあります。
産後におすすめのケア方法
産後は、以下のようなケアを行うことで症状の改善が期待できます
- 授乳クッションを使用し、正しい姿勢を保つ
- 抱っこひもを使用して赤ちゃんとの接触時の負担を軽減
- 可能な範囲で休息を取る
特に、産後の骨盤ケアは重要です。産後専門の整体やマッサージを受けることも効果的です。
まとめ:痛みを我慢せず、快適なマタニティライフを送りましょう
妊娠中の坐骨神経痛は、決して我慢する必要のない症状です。適切なケアと予防法を知り、実践することで、症状を和らげることができます。
重要なポイントをまとめると
- 早めの対策と予防が大切
- 無理のない範囲でストレッチや運動を行う
- 症状が強い場合は専門家に相談する
妊娠中は様々な症状に悩まされることがありますが、周囲のサポートを受けながら、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。快適なマタニティライフのために、ご自身の体調に合わせた対策を見つけていただければ幸いです。