「妊娠中はカフェインを控えましょう」あなたも聞いたことはありませんか？
理由は分からないけれどなんとなくコーヒーは飲まないようにしている…そんな⽅も多いかもしれません。
カフェインはコーヒーだけではなくお茶や清涼飲料⽔にも含まれている⾝近な成分です。
そんなカフェインの効能・作⽤を知ることで、妊娠中も安⼼して飲み物を⼝にできるようになります。
今⼀度カフェインについて学んでいきましょう。

カフェインってどんな成分？

カフェインとは、コーヒー⾖や茶葉などに含まれている⾷品成分の⼀つです。
「カフェインを摂取すると頭が冴える・眠気を覚ます」と聞いたことはありませんか？カフェインには神経を落ち着かせるアデノシンを阻害し神経を興奮させる効果があります。この働きによって、カフェインを摂取すると頭がスッキリするんですね。

「飲むと頭がスッキリするから」と⾔って1⽇に⼤量に摂取すると中枢神経や消化器官が刺激され、めまいや震え、不眠、下痢、吐き気などの健康被害が出てしまいます。

「えっ…そんな危険な成分、摂取してもいいの？」

そう不安になる⽅もいらっしゃるかもしれませんが、安⼼してください！ 
健康被害は、過剰な摂取を⽇々続けることで起きるものです。毎⽇適量摂取するだけで起きることはありません。

それではカフェインの適量はどのくらいなのでしょうか？

毎朝1杯のコーヒーなら妊婦さんも飲んでOK

カフェインの最⼤摂取量は世界保健機関（WHO）、欧州⾷品安全機関（EFTA）、各国
⾷品安全局などで⽬安が異なります。
今回は、最⼤摂取量として⼀番低い値（厳しい基準）にてご紹介いたします。

1⽇の最⼤摂取量

妊婦 200mg
授乳中の⼥性 200mg
未成年 3mg/体重（kg）
成⼈ 400mg

このように、妊娠中ではない⽅の半分量なら妊婦さんでも安⼼してカフェインを摂取できるんですね。
これはコーヒーのmlではなくあくまでカフェイン量のmgです。
実際にはどのような飲み物にどのくらいのカフェインが含まれているのでしょうか？確認していきましょう。

飲み物に対するカフェイン含有量

食品名	カフェイン濃度	備考
コーヒー	60mg/100ml	浸出方法：コーヒー粉末10g/熱湯150ml
インスタントコーヒー（顆粒製品）	57mg/100ml	浸出方法：インスタントコーヒー2g/熱湯140ml
玉露	160mg/100ml	浸出方法：茶葉10g/60°Cの湯60ml、2.5分
紅茶	30mg/100ml	浸出方法：茶5g/熱湯360ml、1.5〜4分
せん茶	20mg/100ml	浸出方法：茶10g/90°Cの湯430ml、1分
ウーロン茶	20mg/100ml	浸出方法：茶15g/90°Cの湯650ml、0.5分
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料（清涼飲料水）	32〜300mg/100ml（製品1本当たりでは、36〜150ml）	製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なる

こちらを元に確認してみると、妊婦さんは1⽇にコーヒー2杯程度まで飲んでもOKという結果になりました。
お茶類にもカフェインは含まれておりますが、1⽇に10杯近く飲まない限りは問題はありません。
ただ、短時間に多量に摂取をしたり1⽇にコーヒーとお茶を合わせてたくさん摂取をしたりすると、⾝体に悪影響を及ぼす危険があります。
摂取できる量はあくまで「妊娠中ではないときの半分の量」と考えて「コーヒーやお茶を飲みたい時」以外はノンカフェインの飲み物を飲むことをお勧めします。

逆に注意が必要なものはエナジードリンクなどの眠気覚ましに⽤いられるドリンクです。
製品によって異なりますが、⾼いものだとコーヒーの5倍近くのカフェイン濃度を持つエナジードリンクもあります。
エナジードリンクではなくとも、中にはカフェインが多く含まれているジュースもあります。
カフェインが多く含まれている物に関しては「妊娠中の⽅はお控えください」などの注意書きが書かれていることが多いため、ラベル記載の注意事項や成分表を必ず確認の上で「飲んでもいい飲み物かどうか」を判断ください。

カフェインと上⼿に付き合っていきましょう！

いかがでしたか？
妊娠中は飲む量は制限されますが、コーヒーやお茶も楽しむことができるのです。これまで毎⽇何杯ものコーヒーを飲んでいた、毎⽇のようにエナジードリンクを飲んでいた、という⽅にとってはもしかしたら物⾜りないように感じるかもしれません。しかし、妊婦さんではなくとも、カフェインは多量に摂取することで健康被害が起きる可能性があります。
出産後も、1⽇の摂取カフェイン量を踏まえて健康な毎⽇を送りましょう！