妊娠初期(4〜15週)
妊娠・出産の基礎知識
眠たくなるのはどうして?妊娠初期の眠気について原因と対策を解説します
妊娠初期の妊婦さんの中には、日中に強い眠気を感じる方がいらっしゃると思います。
「いつまでもベッドから抜け出せない…」「眠たくて仕事に集中できない」とお悩みではありませんか?
今回は、妊娠初期に襲われる眠気の原因や症状が現れる期間、そして対策をご紹介します。
妊娠初期の眠気を引き起こす3つの原因
①ホルモンバランス
妊娠初期は、女性ホルモンのひとつ「プロゲステロン」の分泌が盛んになります。
プロゲステロンは子宮内の状態を整えながら赤ちゃんが育つ環境を作ったり、母乳の分泌を促進するために乳腺を発達させたりする機能があります。
流産を防いでくれる働きもあるとても大事なホルモンなのです!
そして、プロゲステロンには体を休ませようとする作用もあります。
この作用によって、プロゲステロンが急増する妊娠初期に眠気を感じてしまうのです。
②睡眠の質が低下することによる睡眠不足
人のからだは体温を下げながら眠りにつくという仕組みになっています。
しかし妊娠初期は基礎体温が高くなるうえに自律神経が乱れて体温調節がしづらくなるため、睡眠の質が低下しやすくなります。
他にも、精神的に不安定になって寝つきが悪くなったり、つわりによる吐き気で目が覚めたりして睡眠不足になることがあります。
③貧血による眠気
妊娠中は鉄分が優先的にお腹の赤ちゃんに送られるので貧血になりやすい状態です。
貧血になると体の中に十分に酸素が運ばれなくなり、眠気や身体のだるさを引き起こします。
眠気が落ち着くのは妊娠15週目を過ぎた頃から
妊娠15週目頃の胎盤が完成してつわりがおさまり始める時期に、眠気が落ち着く人が多いようです。
ただし落ち着き始める時期には個人差があり、妊娠後期に入っても眠気が続く人もいます。
もしなかなか眠気が治まらない場合は、あまり気にせずに体を休めましょう。
「ゆっくり休んで」という赤ちゃんからのメッセージかもしれません。
日中の眠気と上手く付き合う対策3選
①仮眠をとる
眠気に襲われたときは、無理に我慢をせずに短時間の仮眠をとってみましょう。
熟睡してしまうと、夜の睡眠のリズムが崩れてしまうので
・15~20分程度の時間で
・横になるのではなく、ゆったりと座った状態で
・夕方以降は避けて
以上のポイントには気をつけてくださいね。
寝過ぎ防止のアラームや楽な姿勢が取れるクッションを準備しておくと、よりスッキリと仮眠から目覚められますよ。
②気分転換をする
仕事中などで仮眠が取れない方は、以下のような方法で気分転換をしてみましょう。
・ガムや飲み物を口に入れる(※カフェインの摂り過ぎに注意)
・窓を開けて外の空気を吸う
・お手洗いに行くなどして席を立って歩いてみる
・ストレッチをしたり軽く身体を動かしたりする
・冷たい水で顔を洗う
③夜の睡眠の質を上げる
就寝時間と起床時間を一定にして、夜の睡眠の質を高めましょう。
締め付けの少ない服に変えたり、抱き枕などを利用して自分の寝やすい姿勢を見つけたりすることがおすすめです。
分娩法として多くの産院で取り入れられているソフロロジーの腹式呼吸も、心身をリラックスさせて眠りの質を改善する効果があります。
自分の身体に寄り添いながら楽しいマタニティライフを!
妊娠初期の眠気は、多くの妊婦さんが経験する症状です。
まずは身体を休めることを優先しましょう。
パパに自身の身体の状態を伝えて家事などを手伝ってもらえば、休む時間が確保できますし、パパも家事育児に参加する良いきっかけになりますよ。
自分に合った方法で眠気と上手く付き合いながら、今しかないマタニティライフを楽しみましょう。