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2022.9.2 / 最終更新日: 2025.11.06

妊娠初期(4〜15週)

健康と美容

妊娠中のコーヒーは飲んでもいい?カフェイン摂取量の目安と胎児への影響を解説

「妊娠中はカフェインを控えましょう」と聞いたことはありませんか?
理由は分からないけれど、なんとなくコーヒーを飲まないようにしている…そんな方も多いかもしれません。カフェインはコーヒーだけではなく、紅茶や緑茶、清涼飲料水にも含まれている身近な成分です。
この記事では、カフェインの効能や作用を正しく理解することで、妊娠中も安心して飲み物を楽しめるよう、具体的な摂取量の目安や注意点について詳しく解説します。

カフェインとは?その効果と妊娠中に注意が必要な理由

カフェインの基本的な性質

カフェインとは、コーヒー豆や茶葉などに含まれている天然の食品成分の一つです。

「カフェインを摂取すると頭が冴える」「眠気を覚ます」と聞いたことがある方も多いでしょう。これは、カフェインが神経を落ち着かせる働きを持つアデノシンという物質を阻害し、中枢神経を刺激する効果があるためです。この作用によって、集中力の向上や眠気の軽減といった効果が得られます。

過剰摂取による健康への影響

「飲むと頭がスッキリするから」といって1日に大量に摂取すると、中枢神経や消化器官が過度に刺激され、めまいや手の震え、不眠、下痢、吐き気などの健康被害が出る可能性があります。

「そんな危険な成分、摂取してもいいの?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、安心してください。これらの健康被害は、過剰な摂取を日々続けることで起きるものです。適量を守って摂取する分には、大きな問題はありません。

妊娠中に特に注意が必要な理由

妊娠中は、カフェインの代謝速度が通常よりも遅くなる傾向があります。また、カフェインは胎盤を通過して胎児にも届くため、妊娠していない時期よりも慎重な摂取が求められます。

それでは、妊娠中のカフェインの適量はどのくらいなのでしょうか?

妊娠中のカフェイン摂取量の目安:1日200mgまで

国際機関が推奨する摂取基準

カフェインの最大摂取量は、世界保健機関(WHO)、欧州食品安全機関(EFSA)、各国の食品安全局などで目安が示されています。

今回は、妊婦さんにとって最も安全な基準として、最大摂取量が一番低い値(厳しい基準)をご紹介します。

1日の最大摂取量

  • 妊婦:200mg
  • 授乳中の女性:200mg
  • 未成年:3mg/体重(kg)
  • 成人:400mg

このように、妊娠中は通常の成人の半分量が目安とされています。この基準を守れば、妊婦さんでも安心してカフェインを摂取できます。

毎朝1〜2杯のコーヒーなら問題なし

200mgという数値は、カフェイン量を示すmgであり、飲み物の容量(ml)ではありません。

実際には、どのような飲み物にどのくらいのカフェインが含まれているのでしょうか?次の表で確認していきましょう。

飲み物別カフェイン含有量一覧

食品名カフェイン濃度備考
コーヒー60mg/100ml浸出方法:コーヒー粉末10g/熱湯150ml
インスタントコーヒー57mg/100ml浸出方法:インスタントコーヒー2g/熱湯140ml
玉露160mg/100ml浸出方法:茶葉10g/60°Cの湯60ml、2.5分
紅茶30mg/100ml浸出方法:茶5g/熱湯360ml、1.5〜4分
せん茶20mg/100ml浸出方法:茶10g/90°Cの湯430ml、1分
ウーロン茶20mg/100ml浸出方法:茶15g/90°Cの湯650ml、0.5分
エナジードリンク32〜300mg/100ml製品によってカフェイン濃度が大きく異なる

(内閣府食品安全委員会「食品中のカフェイン」参照)

この表から計算すると、妊婦さんは1日にコーヒー2杯程度まで飲んでも問題ないという結果になります。

紅茶や緑茶にもカフェインは含まれていますが、コーヒーに比べて含有量は少なく、1日に10杯近く飲まない限りは基準を超えることはありません。

妊娠初期から気をつけたい!カフェイン摂取の注意点

短時間での多量摂取は避ける

ただし、短時間に多量に摂取したり、1日にコーヒーと紅茶を合わせてたくさん摂取したりすると、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。

摂取できる量はあくまで「妊娠していないときの半分の量」と考えて、「コーヒーやお茶を飲みたい時」以外はノンカフェインの飲み物を選ぶことをおすすめします。

特に注意が必要なエナジードリンク

逆に注意が必要なのは、エナジードリンクなどの眠気覚ましに用いられるドリンクです。

製品によって異なりますが、高いものだとコーヒーの5倍近くのカフェイン濃度を持つエナジードリンクもあります。エナジードリンクではなくとも、中にはカフェインが多く含まれているジュースもあります。

カフェインが多く含まれている製品に関しては「妊娠中の方はお控えください」などの注意書きが記載されていることが多いため、ラベルに記載されている注意事項や成分表を必ず確認してから、飲んでもいい飲み物かどうかを判断してください。

玉露は特に注意

また、意外に見落とされがちなのが玉露です。玉露は緑茶の一種ですが、カフェイン含有量はコーヒーの2倍以上と非常に高くなっています。妊娠中は玉露の摂取は控えるか、ごく少量にとどめましょう。

カフェインが胎児に与える影響とは

妊娠初期における影響

過剰なカフェイン摂取は、胎児の発育に影響を与える可能性が指摘されています。具体的には、以下のようなリスクが研究で示されています。

  • 低出生体重児(赤ちゃんの体重が少ない)のリスク上昇
  • 流産のリスク増加の可能性
  • 胎児の発育への影響

ただし、これらは1日200mgを大幅に超える過剰摂取を継続した場合に懸念されるリスクです。適量を守っていれば、過度に心配する必要はありません。

カフェインが胎盤を通過するメカニズム

カフェインは分子が小さいため、胎盤を容易に通過して胎児に届きます。胎児はまだカフェインを代謝する能力が未熟なため、母体よりも長い時間、体内にカフェインが留まることになります。これが、妊娠中のカフェイン摂取に注意が必要な理由の一つです。

妊娠中におすすめのノンカフェイン飲料

カフェイン摂取量を抑えたい場合は、以下のようなノンカフェイン飲料を取り入れることをおすすめします。

麦茶

ミネラルを含み、体に優しい飲み物です。夏の水分補給にも最適で、冷やしても温めてもおいしく飲めます。

ルイボスティー

ノンカフェインでありながら、抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含みます。ほのかな甘みがあり、リラックスタイムにぴったりです。

カフェインレスコーヒー

コーヒーの風味を楽しみたい方には、カフェインを99%以上除去したカフェインレスコーヒーがおすすめです。最近では味や香りの質も向上しており、満足度の高い製品が増えています。

たんぽぽコーヒー(たんぽぽ茶)

コーヒーに似た風味を持ち、ノンカフェインです。ビタミンやミネラルを含むため、妊娠中の栄養補給にも役立ちます。

ハーブティーの注意点

ハーブティーの中には、妊娠中に避けるべき種類もあります。例えば、カモミールやセージなど、子宮収縮を促す可能性のあるハーブもあるため、飲む前に成分を確認しましょう。

カフェイン摂取に関するよくある質問

うっかり飲みすぎてしまった場合はどうすればいい?

1日だけ基準を少し超えた程度であれば、過度に心配する必要はありません。次の日からは摂取量を控えめにし、水分をしっかり摂ることで体内のカフェインを排出しましょう。ただし、頻繁に基準を超える場合は、産科での診療時に相談することをおすすめします。

カフェインを含む食品はどのくらい食べていい?

チョコレートやコーヒーアイスなど、カフェインを含む食品もあります。これらも飲み物と合わせて1日200mgの範囲内に収めるよう意識しましょう。例えば、ミルクチョコレート50gには約15〜30mgのカフェインが含まれています。

授乳中もカフェイン摂取に注意が必要?

授乳中も妊娠中と同じく、1日200mg程度を目安にすることが推奨されています。母乳を通じてカフェインが赤ちゃんに届くため、過剰摂取は赤ちゃんの睡眠や機嫌に影響する可能性があります。

まとめ:妊娠中もカフェインと上手に付き合いましょう

妊娠中は飲む量に注意が必要ですが、適量を守れば、コーヒーや紅茶も楽しむことができます。

これまで毎日何杯ものコーヒーを飲んでいた方、毎日のようにエナジードリンクを飲んでいた方にとっては、物足りなく感じるかもしれません。しかし、妊婦さんではなくとも、カフェインは多量に摂取することで健康被害が起きる可能性があります。

妊娠中のカフェイン摂取のポイント

  • 1日200mg(コーヒー約2杯)までが目安
  • 短時間での大量摂取は避ける
  • エナジードリンクや玉露は特に注意
  • ノンカフェイン飲料も上手に取り入れる
  • 製品のラベルで成分表を確認する習慣をつける

妊娠初期から出産後も、1日の摂取カフェイン量を意識して、健康的で安心できる毎日を送りましょう。不安なことがあれば、産科の診療時に気軽に相談してくださいね。

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