妊娠初期(4〜15週)
健康と美容
妊娠中のりんご病に注意|胎児水腫・流産リスクと症状・感染予防を徹底解説
妊娠中に「りんご病が流行っている」と聞くと、とても不安になりますよね。「上の子がかかってしまった」「保育園でうつると聞いた」など、心配される妊婦さんはとても多いです。
りんご病(正式名称:伝染性紅斑)は、子どもがかかる比較的よく知られた感染症ですが、妊娠中に感染すると、赤ちゃんに影響が出る可能性があります。
この記事では、妊娠中のりんご病について「胎児へのリスク」「症状」「検査方法」「予防策」まで、まとめてわかりやすくご説明します。

妊娠中のりんご病感染による胎児への影響とリスク
りんご病の原因は、パルボウイルスB19というウイルスです。このウイルスは、妊娠中に感染すると胎盤を通じて赤ちゃんに移ることがあります。
妊娠中の感染自体がすべて深刻な結果につながるわけではありませんが、一部のケースでは赤ちゃんに影響が出る可能性があります。
胎児水腫や流産の発生確率と危険な妊娠週数
妊娠中にパルボウイルスB19に感染した場合に最も注意が必要な状態が、胎児水腫です。
胎児水腫とは、ウイルスが赤ちゃんの赤血球をつくる働きを妨げることで、重い貧血が起こり、体に水がたまってしまう状態です。自然に回復するケースもありますが、重症化すると赤ちゃんの命に関わることもあります。
感染時期別のリスクのめやす(参考)
- 妊娠初期(〜13週ごろ): 流産のリスクがやや高まるとされています
- 妊娠中期(14〜27週ごろ): 胎児水腫が起こりやすい時期といわれています。特に妊娠20週前後がリスクが高いとされています
- 妊娠後期(28週以降): リスクは相対的に低くなりますが、引き続き注意が必要です
感染した妊婦さん全員が胎児水腫になるわけではなく、感染した妊婦さんのうち胎児水腫が起きるのはおよそ1〜9%程度と報告されています。ただし、何週で感染したかによって割合は変わります。
不安に感じたら、早めに産婦人科へ相談することが大切です。
大人のりんご病に特有の症状とセルフチェック
りんご病といえば「ほっぺが赤くなる病気」というイメージがありますが、大人の症状は子どもと少し異なります。
発疹や強い関節痛と微熱の特徴
大人がりんご病に感染した場合、子どものような「ほっぺが赤くなる発疹(蝶形紅斑)」が出ないこともあります。代わりに、以下のような症状が現れることがあります。
- 関節痛(手首・指・膝など): 大人の感染で特に特徴的な症状です。歩きにくかったり、手がこわばる感じがすることもあります
- 微熱: 38度前後の発熱が続くことがあります
- 倦怠感(体のだるさ): 強い疲れを感じることがあります
- 手足や体幹への発疹: 網の目状のレース様の発疹が出ることがあります
- むくみ(浮腫): 手足がむくむ感じがすることもあります
妊娠中は体調の変化が多いため、「妊娠のせいかな」と見過ごしてしまいがちです。特に関節痛や発疹が気になる場合は、りんご病の可能性も含めて医師に相談しましょう。
パルボウイルスB19の感染経路と感染力の強い時期
りんご病は、どのようにして感染するのでしょうか?感染経路を知ることが、予防の第一歩です。
飛沫感染と接触感染を防ぐための潜伏期間の把握
パルボウイルスB19の主な感染経路は2つです。
- 飛沫感染: 感染している人のせきやくしゃみ、会話などによって飛んだウイルスを吸い込む
- 接触感染: ウイルスのついた手やものに触れ、その手で口や鼻を触る
とくに注意が必要なのは、発疹が出る前の時期です。
りんご病は、ほっぺや体に発疹が出たときにはすでに感染力がほぼなくなっています。感染力が最も高いのは、発疹が出る7〜10日ほど前の潜伏期間中(発熱や軽い鼻水が出る頃) です。
つまり、「まだ発疹が出ていないけど体調が悪そうな子ども」と接触した場合でも、感染している可能性があります。潜伏期間は感染してから4〜28日程度と幅があります。
上の子どもや職場の周囲にりんご病の感染者がいる場合は、発疹が出る前から注意が必要です。
産婦人科での抗体検査と受診のタイミング
「もしかして感染しているかも」と感じたら、自己判断せず、早めに産婦人科を受診することが大切です。
IgM抗体とIgG抗体検査による感染時期の特定
産婦人科では、血液検査によりパルボウイルスB19への感染を調べることができます。調べる項目は主に以下の2つです。
- IgM抗体: 最近感染した場合に上昇する抗体です。感染後2〜3週間で検出されることが多く、現在進行中の感染(急性感染) の確認に使われます
- IgG抗体: 過去に感染したことがある場合に検出される抗体です。IgG抗体があれば、以前に感染して免疫ができているため、再感染のリスクは低いと考えられます
保険適用については、医師の判断によって異なります。気になる場合は受診時に確認してみましょう。
こんな場合は早めに受診してください
- 上の子や身近な人がりんご病と診断された
- 職場や保育園でりんご病が流行している
- 発疹・関節痛・微熱などの症状がある
- 感染しているかどうか不安で確認したい
受診の際には「りんご病(伝染性紅斑)に感染した可能性があります」と受付でお伝えすると、スムーズに対応してもらいやすくなります。
妊婦をりんご病から守る具体的な感染予防対策
りんご病に対するワクチンは現在ありません。そのため、日常生活での予防対策がとても重要です。
手洗いとマスク着用による家庭内および職場での防衛
以下の予防策を日頃から意識しましょう。
手洗い・手指消毒
- 外出後、食事前、トイレの後には必ず石けんで丁寧に手を洗う
- アルコール消毒液の使用も効果的です
マスク着用
- 人混みや職場、保育園の送迎時など、人と接する場面でのマスク着用が有効です
子どもとの接し方
- 上の子が体調不良の場合は、タオルや食器の共用を避ける
- おむつ交換や鼻水の処理のあとは必ず手を洗う
職場での対策
- 保育士・教員・医療職など子どもと接する仕事の場合は、管理職や上司に妊娠していることを伝え、流行期には配置換えなどの配慮を相談することも選択肢のひとつです
完全に感染を防ぐことは難しいですが、これらの対策でリスクを下げることができます。

上の子の発症や職場流行時の対応方法
「上の子がりんご病と診断された」「職場でりんご病が流行している」という状況は、妊婦さんにとって特に不安が大きい場面です。以下の手順を参考にしてください。
Step 1:まずは産婦人科に電話で相談する
受診前に電話で「上の子(または職場の同僚)がりんご病と診断されました。妊娠中ですが、どうすれば良いですか?」と相談しましょう。指示に従って受診するかどうかを判断します。
Step 2:IgG抗体の有無を確認する
血液検査でIgG抗体があれば、過去に感染済みで免疫がある可能性が高いため、過度に心配しなくて良い場合もあります。
Step 3:IgG抗体がない(免疫なし)場合は経過観察
抗体がない場合は感染リスクがあります。医師の指示に従い、定期的な超音波検査などで赤ちゃんの状態を確認します。
Step 4:症状が出た場合はすぐに受診
発疹・関節痛・発熱などの症状が出た場合は、自己判断せず速やかに受診してください。
感染が確認された場合でも、多くのケースでは赤ちゃんへの深刻な影響は起きません。ただし、医師による定期的なモニタリング(超音波検査など)が重要です。一人で抱え込まず、担当医とよく相談しながら経過を見守りましょう。
まとめ
妊娠中のりんご病(伝染性紅斑)は、感染しても多くの場合は問題ありませんが、胎児水腫などのリスクがあるため、早めの対応が大切です。大人の症状は関節痛や微熱が特徴的で、気になる場合は産婦人科でIgM・IgG抗体検査を受けましょう。手洗いやマスク着用など日常の感染予防を徹底しながら、不安を感じたら一人で悩まずに担当医へ相談することをおすすめします。
