妊娠初期(4〜15週)
健康と美容
喫煙はNG!タバコが妊婦さんに与えるリスクを再確認
「妊娠中のタバコはNG」
「お腹の中の赤ちゃんに影響が出る」
そんな話を聞いたことはありますか?
タバコは妊婦さんに限らず健康被害を引き起こす可能性のあるものです。
どうして妊婦さんは禁煙を勧められるのか。
妊婦さんが吸うことでどんなリスクが生まれるのか。
今一度、喫煙のリスクについて確認していきましょう!
タバコにはどんな成分が含まれているの?
「タバコは身体に悪い」
なんとなく分かってはいるけれど、実際にどんな成分が含まれていてどのように身体に作用しているのか、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
タバコの三大有害物質として、ニコチン・タール・一酸化炭素の3つがよく挙げられます。
ニコチン
依存性が高く「タバコを止められない」原因となる物質です。
特に血管への影響が大きく、血管収縮・血圧上昇・血栓形成などのリスクがあり、心臓病をはじめ生活習慣病を引き起こす原因の一つとなっています。
また、ニコチンの代謝物には発がん性物質が含まれています。
タール
フィルターに付着するヤニのような物質で、煙の粒子部分の総称を指します。
ベンツピレンやアミン類など、数十種類もの発がん物質が含まれています。
一酸化炭素
有機物の不完全燃焼によって発生するガスです。
血中で酸素を運ぶヘモグロビンが一酸化炭素と結びつくことで酸素が運ばれなくなり、酸素不足となります。
タバコには依存性物質や発がん性物質をはじめ、様々な有害物質が含まれています。
妊娠していない成人女性であっても、健康を害する可能性があります。
では、妊娠中ではどのような危険性があるのでしょうか?
妊娠中にタバコを吸うリスク
妊婦さんがタバコを吸うことで、ご自身の身体だけではなく赤ちゃんにも健康被害が起こる可能性があります。
- 流産・早産
- 低体重児出産
- 常位胎盤早期剥離
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)
これらは、タバコによって発生リスクが上がると言われています。
喫煙をしていると胎盤がうまく形成されず、赤ちゃんへ栄養や酸素が行き届かない・出産前に胎盤が剥がれてしまう(常位胎盤早期剥離)などが起こり、低体重(2500g以下)での出産や流産などが起きる可能性があります。
状況によっては、出産時に赤ちゃんとお母さんの命に危険が及ぶこともあるのです。
胎盤に影響がなかったとしても、ニコチンの血管収縮作用によって赤ちゃんが栄養不足になったり、ご自身が心筋梗塞・動脈硬化を起こしたりすることもあります。
妊娠中の喫煙は、ご自身の健康だけではなく、赤ちゃん・ご自身の命に関わる危険な行動です。
電子タバコも喫煙リスクは変わらない!
「電子タバコくらいなら…」
なんとなく、紙タバコよりも電子タバコの方がハードルが低い・健康被害も少ない、などの印象を持っている人も多いと思います。
電子タバコでもニコチンをはじめ、紙タバコ同様の成分をしっかりと吸えるような仕組みになっています。 そのため、喫煙するリスクは紙タバコと変わりません。
受動喫煙も影響あり!パートナーの禁煙をおすすめします
妊婦さんが喫煙をしていなくても、パートナーや一緒に住む家族が出すタバコの煙が影響を与えます。
妊婦さんがご家族にいらっしゃるときには禁煙をする、もしくは目の前では吸わず、吸った後も服についた煙が消えてから屋内に入る、などの対応が必要です。
タバコから出る3種類の煙
タバコの煙には、喫煙者本人が吸う主流煙と吐き出すときの呼出煙、そしてタバコの先から出る副流煙の3種類があります。
この中で、有害物質が最も含まれている煙は副流煙です。
本人は吸っていなくとも、目の前で吸う人がいると呼出煙・副流煙と2種類の煙を体内に取り込んでしまいます。
受動喫煙をした赤ちゃんは呼吸器症状や肺炎、乳幼児突然死症候群(SIDS)などを発症する可能性が高くなります。
妊婦さん・赤ちゃんのためにも、ぜひタバコを控えてくださいね。
妊婦さんと赤ちゃんの命を守るためにも禁煙しましょう
妊娠初期の時点では、妊婦さん本人の喫煙率は5%程度に対してパートナーの喫煙率は45%と高い数値になっています。
妊婦さんの喫煙・受動喫煙は、ご自身だけの問題ではありません。
自分自身と赤ちゃんの健康と命を守るためにも、タバコとは距離を置いた生活をお勧めいたします。