コラムCOLUMN

2022.10.31

妊娠後期(28〜40週)

入院・出産について

出産のスケジュールを決められる?計画出産の種類やメリットについて

あらかじめ出産日を決められる「計画出産」をご存じですか?立ち会い出産や無痛分娩を希望する方や上の子のお世話などの都合がある方にとっては、出産日を決められると助かりますよね。

この記事では、計画出産の種類やメリット、注意するべきポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

計画出産とは?

計画出産とは、具体的にはどのような出産のことを指すのでしょうか。まずは、計画出産の種類や理由について見ていきましょう。

■あらかじめ出産日を決めておくこと

通常、出産とは、おなかの赤ちゃんの準備ができたタイミングで陣痛が始まるもので、いつ出産になるかは誰にもわかりません。しかし、さまざまな理由からあらかじめ出産日を決めて、計画的に分娩を行う場合があります。このような出産のことを計画出産、計画分娩、誘発分娩などとよびます。

出産日を決めておくという点では、赤ちゃんや母体の状態による「予定帝王切開」や、予定日超過による「誘発分娩」なども含まれます。

また、無痛分娩を希望する場合は、あらかじめ麻酔処置を行える医師がいる日をおさえておき、その日に無痛分娩を行うことが多いようです。

■計画出産の理由

では、どのような場合に計画出産を選べるのでしょうか。計画出産の理由としては大きく分けて次の2つの理由が挙げられます。

◯お母さんと赤ちゃんを守るため

お母さんと赤ちゃんの状態によっては、妊娠を続けることがリスクとなってしまうため、早めに分娩を計画する場合があります。具体的には次のようなケースが考えられます。

・妊娠高血圧症候群などでお母さんの体に負担がかかっている場合
・陣痛が来る前に破水してしまったとき
・赤ちゃんに疾患があり、治療のために早めに分娩したほうがいい場合
・赤ちゃんの発育不全や巨大児が予測されるとき
・妊娠42週以降になっても陣痛が来ないとき
・子宮内感染がある場合

◯希望の日に出産するため

もうひとつの理由は、無痛分娩や立ち会い出産、上の子のお世話などに対応できるよう、前もって出産のスケジュールを調整したいというものです。出産方法へのニーズの多様化や核家族化が進んだ時代背景により、こうした理由も増えてきています。

・無痛分娩を希望している
・立ち会い出産のため、家族のスケジュールを調整したい
・自宅から産院まで距離があり、来院に時間がかかる
・上の子の預け先を確保しておく必要がある

・産後サポートの予約などのために日程を確定したい

さまざまなケースが考えられますが、計画出産ができるかどうかは産院の方針や体制によっても異なるため、まずは相談してみるといいでしょう。

計画出産のメリット

続いて、計画出産のメリットを紹介します。

■お母さんと赤ちゃんの命を守れる

出産において何よりも大事なのは「お母さんと赤ちゃんの健康」ですよね。

計画出産の場合は、専門スタッフがそろった状態で、スタッフが慎重に見守りながら分娩を進めることができます。万が一トラブルが発生してもすぐに対応できるので、安全に分娩を進められるでしょう。

■安心して出産に臨める

いざ陣痛が来てから、お父さんに連絡したり、上の子を預ける手配をしたりするのは大変なもの。臨月になると、楽しみな気持ちがふくらむ反面、毎日緊張しながら過ごすのが意外とストレスになる場合も…。

あらかじめ出産日が決まっていると、赤ちゃんを迎える支度はもちろん、上の子の預け先やお父さんの仕事の調整、ファミリーサポートの手配など、さまざまな準備を整えてから出産に臨むことができます。

準備が整っていることでお母さんの安心感につながり、リラックスして出産に臨めるのも大きなメリットですね。

計画出産で注意しておきたいポイント

事前にスケジュールを調整できることでメリットも多い計画出産ですが、注意しておきたいポイントもいくつかあります。

■麻酔や陣痛促進剤のリスクがある

分娩を誘発するためには陣痛促進剤を、帝王切開や無痛分娩では麻酔を使用します。ごくまれですが、麻酔の成分に対してアレルギーをもっていると母体へのリスクがあります。また、陣痛促進剤の効き具合によっては陣痛が強くなりすぎてしまい、お母さんや赤ちゃんに影響が出る場合もあります。

ただし、産院ではこうしたリスクに備えて慎重にモニタリングしながら分娩を進めていくので、必要以上に心配しなくても大丈夫です。気になることがあれば、些細なことでも先生や助産師さんに相談してみましょう。

■赤ちゃんの発育が十分でない場合がある

計画出産では、出産予定日よりも早めに分娩を行う場合が多くあります。そのため、赤ちゃんの身体機能が十分に発育していない恐れもあるのです。

担当の先生がしっかり経過を見ながら判断するので、こちらも過剰に心配する必要はありませんが、まれに赤ちゃんの発育が不十分で出産後にNICUでの治療が必要になるケースもあるということを把握しておきましょう。

■計画出産ができないこともある

計画出産を予定していても、予定より早く陣痛が来てしまった、母子の状態により出産方法を変更せざるを得なくなったなど、さまざまな要因で計画通りに分娩を行えないこともあります。計画通りに出産できない可能性もあることを頭に入れておきましょう。

まとめ

あらかじめスケジュールを調整できる計画出産は、お母さんや家族にとってメリットの大きな出産方法だといえるでしょう。

しかし、最後まで何が起こるかわからないのが妊娠・出産です。お母さんと赤ちゃんの健康を第一に、担当の先生と相談しながらベストな方法を検討してくださいね。

妊娠週数

カテゴリー

年別アーカイブ