妊娠後期(28〜40週)
妊娠・出産の基礎知識
妊娠中に母乳が出るのはなぜ?時期・原因・対処法を解説
妊娠中に、乳首から透明や黄色っぽい液体が出て驚いた経験はありませんか。実は、妊娠中に乳汁のような分泌物が出ることは珍しいことではありません。ただし、出る時期や量には大きな個人差があり、まったく出ない方も多くいます。この記事では、妊娠中に分泌物が出る理由や時期の目安、日常でのケア方法、受診を検討したい症状について解説します。

妊娠中に母乳が出る理由と正常な範囲
妊娠中は、体の中で出産と授乳に向けた準備が少しずつ進んでいます。その過程で、乳首から分泌物が出ることがありますが、これは異常なことではなく、多くの場合は正常な妊娠経過の範囲内とされています。
妊娠中に分泌される初乳と乳汁
乳腺は、妊娠によるホルモンの働きで発達していきます。出産後にすぐ出てくる初乳のもとになる分泌物は、実は妊娠中からすでに作られ始めているといわれています。妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンの影響で分泌が抑えられていますが、妊娠が進むにつれて、この初乳に近い分泌物が少量にじみ出てくることがあります。
透明・白・黄色の分泌物の違い
妊娠中に見られる分泌物は、透明なもの、白っぽいもの、黄色っぽいものなどさまざまです。色だけで異常かどうかを判断することは難しく、色の違いは分泌物に含まれる成分のバランスなどによって生じると考えられています。色にかかわらず、量が少なく痛みなどの症状を伴わない場合は、過度に心配しすぎなくてよいケースが多いとされています。
妊娠中の母乳はいつから出るのか
妊娠中の分泌物がいつから出るかは、個人差が非常に大きいというのが実際のところです。妊娠中期から出始める方もいれば、臨月になっても分泌が見られない方もいます。ここでは、妊娠時期ごとのおおまかな傾向を紹介しますが、あくまで目安として捉えてください。
妊娠中期にみられる乳房の変化
妊娠中期に入ると、乳房が大きくなったり張りを感じたりする方が増えてきます。この時期に分泌物に気づく方もいますが、まだ出ていなくても問題があるわけではありません。
妊娠後期にみられる乳汁分泌
妊娠後期になると、乳腺の発達がさらに進み、分泌物に気づく方が増える傾向にあるといわれています。ただし、これも全員に当てはまるものではなく、後期になっても出ない方も少なくありません。
臨月に母乳が出る場合と出ない場合
臨月であっても、分泌物が出る・出ないは体質による部分が大きく、どちらであっても正常な範囲内と考えられています。「臨月なのにまったく出ないから母乳が出にくいのでは」と不安になる必要はありません。
妊娠中に母乳が出たときの対処法
分泌物に気づいたときは、無理に絞り出したりせず、清潔を保つことを基本にしましょう。
無理に絞らず清潔を保つ乳房ケア
分泌物が出ていても、意識的に絞り出す必要はありません。刺激を与えすぎると、まれにお腹の張りにつながることもあるといわれているため、自己判断で強く刺激するのは避けたほうがよいでしょう。清潔なガーゼなどで優しく拭き取る程度で十分です。
下着が濡れるときの母乳パッド活用
分泌物の量が多く下着が濡れてしまう場合は、授乳用の母乳パッドを活用すると衣類が汚れるのを防げます。こまめに取り替え、清潔な状態を保つように心がけましょう。
妊娠中のおっぱいマッサージと乳頭ケア
自己判断で強く刺激しない注意点
インターネット上には、妊娠中からおっぱいマッサージを行うとよいという情報もありますが、時期ややり方によってはお腹の張りを引き起こす可能性があるとも指摘されています。自己判断で強く刺激することは避けましょう。
医師・助産師への確認が必要なケース
マッサージやセルフケアを行いたい場合は、必ず妊婦健診の際に医師や助産師に相談し、自分の妊娠経過に合った方法かどうかを確認してから行うようにしてください。
受診を検討したい乳頭分泌の症状
多くの場合、妊娠中の分泌物は心配のいらないものですが、中には受診を検討したほうがよいケースもあります。
血が混じる・片側だけ続く乳頭分泌
分泌物に血が混じる場合や、片側の乳首だけから自然に分泌が続く状態が長期間見られる場合は、念のため医療機関に相談することをおすすめします。妊娠中・授乳中に一時的に血が混じることはあるとされていますが、続く場合は自己判断せず専門家に確認してもらうと安心です。
しこり・痛み・腫れ・赤み・発熱を伴う症状
分泌物に加えて、しこりが触れる、強い痛みや腫れがある、赤みや発熱を伴うといった症状がある場合は、乳腺炎など別の原因が考えられることもあります。早めに産婦人科や乳腺の専門医を受診してください。
妊娠中に母乳が出ない場合の考え方
妊娠中の分泌の有無と産後の母乳量
妊娠中に分泌物が出なかったからといって、産後に母乳が出にくくなるとは限りません。産後の母乳分泌は、出産後にホルモンバランスが大きく変化することで本格的に始まる仕組みになっており、妊娠中の分泌の有無だけで判断できるものではないとされています。出ていないことを過度に心配しすぎず、産後の様子を見ていくことが大切です。

まとめ
妊娠中に乳首から分泌物が出るのは珍しいことではなく、出る時期や量には個人差があります。基本的には無理に絞らず清潔を保てば問題ないことが多いですが、血が混じる、しこりや痛みを伴うといった症状がある場合は医療機関に相談しましょう。不安な変化に気づいたときは、一人で抱え込まず、妊婦健診の際に相談してみてください。
